2008 年
4 月
22 日
カテゴリ:活動報告
道路特定財源をめぐる3月議会の議論
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道路特定財源と暫定税率の問題について、国会の議論のゆくえが注目されています。3月の「期限切れ」を睨んだ議論よりも、きちんと地に足をつけた議論の展開を期待したいと思います。小平でも、道路特定財源の収入は08年度予算にしっかり入っています。3月議会で審議した予算案に対する賛成討論でも触れましたが、国と地方自治体との関係は、最近自治・分権から遠ざかっているように思えてなりません(賛成討論はこちら)。 3月議会では、「道路特定財源の堅持を求める意見書」が議員提出議案で出され、わたしが所属する総務委員会で審査されました。わたしたちはこれに反対し、総務委員会では4対2で否決されましたが、最終日でひっくり返され可決されてしまいました。とても残念です。この意見書に対する反対討論は、次のとおりです。
道路特定財源の堅持を求める意見書・反対討論
議員提出議案第22号「道路特定財源の堅持を求める意見書」提出について、緑・ネットとして反対の立場で討論します。 この意見書は、道路特定財源の暫定税率を維持し、安定的かつ確実に道路整備の財源を確保せよというものです。この問題については、現在国会で議論されていますが、この間さまざまな問題点が明らかになってきました。また、特定財源についてと暫定税率についてでは違った課題があり、制度が入り組んでいるため、整理が必要です。 そもそも道路特定財源が生み出されたのは1954年。国道や都道府県道でも狭い道が多く、舗装された道路は6%という状況でした。戦後の経済復興には道路が必要だと、揮発油税を特定財源化し、道路整備に使いみちを限定したのが始まりです。その後74年に道路財源を充実するため暫定税率という上乗せが始まりました。本則でなく「暫定」という名前での税率の上乗せが30年以上続いているのです。今では道路整備が進み、国道などの舗装率も2006年で97%になっています。 小泉内閣のとき、道路特定財源の一般財源化を政府が言い始めました。国土交通省はこれに対して露骨に反対のキャンペーンをはります。自分が属している政府に対して猛烈に抵抗するのです。その結果、道路予算をそこから割り振られている地方自治体は、お金が来なくなっては大変と、次々に一般財源化反対の声を上げていきます。 昨年12月、福田内閣で、政府・与党は今後10年間の道路整備中期計画を59兆円規模で決定しました。事業内容として、渋滞対策や開かずの踏み切り解消、通学路の歩道整備などを国土交通省は強調していますが、実は高速道路など1万4千キロの高規格道路を整備することが、この計画の目玉です。小泉内閣のときに採算性が疑問視されていた2900キロが復活し、高規格道路整備のために約20兆円がつぎ込まれるということです。 このような国全体の道路財源をめぐる構造をそのままにしておいていいのかが、今問われています。国会の審議や報道を通して、道路特定財源の不適切な使いみちや契約のあり方、天下りの問題、族議員の関与、また道路整備中期計画の前提となる交通量予測が信頼できないなど、問題が噴出しています。このため、無駄な道路を造り続ける道路特定財源は一般財源にして道路以外にも使える方がいいと考える人が世論調査でも6割にのぼっているのです。そして政府も、ここへ来て、一般財源化を言い始めました。これは、衆議院と参議院の数の逆転現象もありますが、世間の大きな声を無視することができなくなったことにほかなりません。 さて、小平市の場合、2008年度予算で歳入の中で道路特定財源は6億9100万円。うち暫定税率分は3億600万円です。このお金はもちろん道路整備に使う財源の一部となっています。これは小平市にとって決して小さな額ではありません。ですから、入ってくるはずの収入が入らないのは、自治体として困りますし、とんでもないことだと思います。しかし、だからと言って、これまで述べたような構造的な問題をそのままにして、「特定財源と暫定税率を堅持しろ」と、議会から意見書を出していいのでしょうか。 国会で議論されている道路特定財源をめぐるさまざまな問題について、例えば不適切な使いみちや道路の優先順位における政治家の関与、無駄な道路を造ることについてはおかしいという認識が、提出者からも示されました。そうであるにもかかわらず、このような意見書を国に提出することは、今まで行ってきた国土交通省の道路行政をそのまま継続すること、どこにもメスを入れることなく現在の構造を温存し、多くの人たちがおかしいと思っている税金の無駄遣いに力を貸すことになります。無駄な道路を造る方向に進んでいきます。今のままの国土交通省を後押しし応援することになるのです。 また、自治・分権の観点からも、道路特定財源は問題です。小平市の来年度予算で道路特定財源は6億9100万円で税財源だけですが、自治体によっては補助金を当てにして道路整備を進めるところもたくさんあります。財源を分配するのは国土交通省の仕事になっています。自治体側からすれば、財源を人質にとられているようなものです。国土交通省に対して批判的な態度はとりにくくなります。国の省庁が財源を人質に地方自治体を縛る例は、あちらこちらで耳にすることです。また、この道路特定財源の場合、自治体に税としてあるいは補助金として割り振られるお金と、国が直接事業費を支出する国道や高速道路などの財源を分けて議論できるしくみになっていないため、オールオアナッシングのような議論にならざるをえません。このことも問題であり、また、国土交通省が地方自治体をからめとる巧妙なしくみに思えてなりません。 さて、暫定税率についてです。道路財源目的で税率の上乗せがされ、それが延長を重ねて30年以上に及んでいます。道路特定財源が前提になっている上乗せですから、見直しが必要だと思います。小平市の来年度予算で影響額は3億600万円にのぼります。自治体として財源確保を求めることは当然理解できますが、構造そのものの見直しが必要です。これについては国会でもっとしっかりと議論すべきです。 なお、三位一体の改革が行われたときに、小平ではたまたま影響額がプラスになりましたが、多くの自治体ではマイナスの影響になりました。一般財源化によってこれまでどおりの財源が確保できるのかという問題は当然あるわけですが、税財源の移譲をさらに進め、自律的な自治体運営ができるよう、分権改革を図る必要があると思います。 以上を申し添え、この意見書提出に反対の討論とします。
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