2007 年
12 月
21 日
市民活動を監視する自衛隊への意見書は否決
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今年6月、自衛隊の情報保全隊がさまざまな市民活動を調べ、記録・分析していたことが明らかになりました。その内部文書は、自衛隊のイラク派遣前後の03年11月〜04年2月の期間調査されたものです。以前にも描きましたが、驚いたことにわたしたち小平・生活者ネットワークも載っています。 このような自衛隊の活動に対して、監視の中止を求める意見書を小平市議会から提出したいと、わたしたちの会派緑・ネットの橋本久雄さんが提出者代表になり、議員提出議案「自衛隊による市民活動監視の中止を求める意見書」を提案しました。この意見書は、わたしが所属する総務委員会に付託され、8月からの議論を経て11月の総務委員会では4対2で可決されました。ところが、12月議会初日本会議では、逆に13対14で否決されてしまいました。とても残念です。国への提出が実現しなかった意見書案と賛成討論を載せましたのでご覧ください。
<賛成討論> 議員提出議案第5号 自衛隊による市民活動監視の中止を求める意見書提出について、緑・ネットとして賛成の立場で討論します。 自衛隊の情報保全隊が大規模に国民の動向を監視し、その情報を系統的に収集していることが発覚しました。 明らかにされた文書には、さまざまな団体や個人の活動が記されています。民主党の国会議員、地方議員、映画監督や著名人、仏教やキリスト教の宗教団体 、報道機関や高校生のグループなども対象になっており、個々の活動や集会の開催時刻、参加人数から発言の内容まで克明に記録されています。この文書の真偽について議論がありましたが、委員会審査の中でも述べられたとおり、大臣もこの文書は本物だろうと認めているところです。また、意見書は文書に対して提出するわけではありません。 たとえば、 山田洋次監督の映画「幸福の黄色いハンカチ」をヒントにイラク派遣隊員の安全を願って行われた「黄色いハンカチ運動」について、山田監督が批判的なことを述べた記事が新聞などに掲載された事実を「市民レベルでの自衛隊応援・支持の動きを有名人の名を利用し封じ込めようとする意図がある」などと分析しています。また、民主党の衆議院議員が自衛隊OB会の新年会に参加し、来賓祝辞で「自衛隊のイラク派遣は憲法違反であり、派遣に反対」と発言しました。この発言を「自衛隊のイラク派遣を誹謗する発言」ととらえ、反自衛隊活動に入れられています。自衛隊を大切なものと考えている人に対しても、イラク派遣に反対意見を表明しただけで反自衛隊活動と言っているのです。この頃、自衛隊のイラク派遣についてはさまざまな意見があり、自衛隊に関わりの深い人でもイラク派遣には反対している人が多くいました。自衛隊そのものを批判したわけでもないのに「誹謗」という言葉や「反自衛隊活動」とされてしまうことに疑問を覚えます。 小平市についても、イラク派遣に反対する市民グループにとどまらず、3人の市議会議員が所属する2つの団体も対象になり、記載されました。また、小平市議会でイラク派遣に反対する意見書が可決されたことも記されています。 さらには、イラク問題に限らず、「消費税増税反対」、「年金制度改悪反対」などの国民が行う運動についても記載され、自衛隊による監視が市民活動全般にわたっていることがわかります。折りしも同じ時期に、警察による市民活動への圧力が強まっていました。立川市の自衛隊宿舎に反戦ビラを配布するために立ち入ったとして住居侵入罪で市民が逮捕されたのです。その後も同様の事件が続きました。監視活動にとどまらず、市民運動を敵視し規制し、イラク派遣に反対する世論を押さえ込もうとする動きがあらわになっていきました。社会の空気がしだいに重苦しく息苦しくなっていく気配を多くの人が感じています。軍部が国民を敵視して監視下に置いた戦前戦中の憲兵隊を思い出した人も沢山います。 このような監視活動が続けば、ものを言いにくい社会になっていきます。市民のさまざまな活動や表現が制限され、ひいては自由な市民生活を脅かす事態になりかねません。 情報保全隊はそもそも軍事機密の情報の漏洩が続いたことから、こうした情報漏洩を未然に防ぐことを主な目的として作られました。情報保全業務とは、秘密保全、隊員保全、組織・行動等の保全及び施設・装備品等の保全並びにこれらに関連する業務と定義されています。つまり今回の一連の行動は情報保全隊の本来業務を逸脱したものと言えます。 自衛隊のイラク派遣を巡っては、世論を二分する大きな議論が起こりました。多くの国民がイラク派遣に疑問の声をあげました。自衛隊が一方の政治的立場に立ち、こうした人々を「自衛隊に反対する人々」として監視したことは「政治の軍事に対する優位」を定めたシビリアンコントロール(文民統制)を逸脱しています。自衛隊は何を守るために存在しているのでしょうか。それは、この国に住む人々を守るのであって、特定の政権を守るための存在ではありません。市民に多様な意見があるのは当然です。言論・表現や活動の自由に対する干渉は許されることではありません。こうした民主主義への挑戦ともいえる監視活動は即刻中止すべきです。 よって緑・ネットは本議案、「自衛隊による市民活動監視の中止を求める意見書提出」について賛成します。
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