2008 年
7 月
5 日
秦野市の水の豊かさは自然条件だけじゃない!
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4月に秦野市へ行って、地下水利用と保全活動について話を聞いてきました。多摩の地下水を守る会のツアーです。秦野市はとても水の豊かなところです。明治23年、湧水を水源とする水道事業を始めました。全国で3番目に始めた水道事業だそうです。現在、水道水源の約7割が地下水で、水源井戸は60数か所あるとのこと。そして、足りない分を県から買っているのだそうです。秦野市は盆地で扇状地の地形。丹沢山地と大磯丘陵に囲まれた盆地の地下に、天然の水がめである地下水盆があります。ここに、丹沢山地や盆地に降った雨が集まってきます。市内には湧水が多くあり、庭に自噴井戸(井戸を掘ると、そこにかかっている圧力で、汲み上げなくても水が出てくる)を持っている家もあります。 1970年から5年間、市は秦野盆地の地下水調査を行いました。そして、地下水の水収支を明らかにしたのです。73年、「秦野盆地に貯留する地下水は市民共有にして有限な財産である」という考えに基づいて、保全のための施策を具体化させます。環境保全条例を制定し、その中で、樹木伐採等の届け出、樹林保全地区の指定、緑化推進とともに、地下水取水の届け出、新規水源開発の規制を定め、地下水涵養(かんよう)源である緑を保全し取水規制もねらうという、地下水保全に対する秦野市の基本姿勢を示しました。また、この年から地下水の人工涵養も始めています。そして、1975年からは、地下水利用協力金制度を始めました。これは、地下水資源の保全と秩序ある利用を図るため、1日20立方メートル以上の地下水利用事業者に対して協力金の納入を求めたものです。当初は1立方メートルあたり5円でしたが、現在は20円になっています。 1983年、水道水源井戸の一部からテトラクロロエチレンが検出され、また89年には市内の代表的な湧水の汚染が判明しました。市では、おいしい地下水を水道水として活用するために、配水場に水をキレイにする浄水装置を設置するとともに、汚染源を特定し汚染除去をしていきます。土壌や地下水の浄化を市も行い、事業者にも求めました。そして、93年に地下水汚染の防止及び浄化に関する条例を制定し、汚染源の事業者に浄化を義務づけました。さらに、2000年には、水質保全に水量の保全を加えた地下水保全条例が施行されました。この条例では、地下水を市民共有の財産である「公水」として位置づけています。新規井戸の掘削を原則禁止し、地下水の涵養を条例で規定しました。長年にわたる汚染浄化の努力によって、水質がほぼ完全に改善し、2004年に秦野盆地湧水群の名水復活を宣言しました。 このように、秦野市では、地下水を守りながら活用していく取り組みが息づいています。もちろん、地形など特殊な条件もあります。でも、自然条件だけではなく、長年の地道な努力によって、豊かな水が守られているのです。秦野市民は、おいしいきれいな水を誇りにしているそうです。市内の湧水や川も見せていただきながら、持続可能な水循環のまちをつくる秦野市の取り組みに、学ぶところがたくさんあるなあと感じた1日でした。
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